コラム

《コラム》 キャンセル料は取れないか。

 「民泊」の項でも書きましたが、私たち宿泊業界でも最大の弱点の一つがキャンセル

料の問題です。どういうわけか、私たちの業界は「弱気」で契約上両者が納得しているはずのキャンセル料を堂々と請求することが非常に不得意です。これは日本人の特性

なのかもしれませんが、言いにくいことは言わずにおこうという姿勢からどうしても脱却できません。もちろん、当日や不泊(ノーショウ)、あるいは悪質なものについては請求することもあるかもしれませんが、仮に当日分でもお客様から電話をもらえば、

「それでは今回は特別に」という特別でもなんでもない常套句で逃げてしまいます。

 これは大手でもあることではありますが、一方、ネット予約が進んできたために、半ば自動的にネットについてはキャンセル料が取れるので余計な手間をかけず、キャンセル料を取れることも多くなってきました。あるホテルではキャンセル料は徹底的に追い詰めるという姿勢を貫いています。それはそれで立派ですし、ある意味当たり前のことでもありますが、外野から見ているとそれにかける労力・時間は並大抵のものではなくその役目を負うスタッフの方に同情してしまいます。ただ、繰り返しにはなりますが、それが当たり前で正当な事由と判断できる場合の除いては、絶対にキャンセル料は取るべきだとは思います。

 OTA以外の予約で、自社HPからの予約や電話予約は交渉次第ではキャンセル料もどうにかなるかもしれないという認識を持つお客様もいるかもしれませんが、ホテル側は次につながるかもしれないからと、請求することに弱気になってしまいます。その場合でも通常なら100%ご請求するところを50%と交渉して全額ではないにしろ、キャンセル料を上手に徴収するホテルもあります。旅館では食事がからむので、一層、当日キャンセルについては厳密に徴収すべきですが、多少の柔軟性を持つことにより、その徴収をしやすくすることもあるわけです。海外のようにほぼ全額事前決済であれば、キャンセル料の徴収もただ、返金金額を調整すればいいので簡単にはなりますし、民泊に負ける最大のポイントは既述のように民泊も事前決済であることです。

 ただし、この場合に大切なのは方針の一貫性で、人によってはキャンセル料を取るけれど、人によっては取らないではコンプレの火種になるだけです。電話をしてきてキャンセルするというある面、能動的なキャンセルについては当日でも「特別に」50%とするけれど、不泊の場合は100%とするなどが、スタッフ全員に統一されなければなりません。私の経験では100%請求に拘ってフロントのスタッフが時間を無駄にしているのを見ると、電話がかかってきた場合は「特別に50%」というほうが、お客さまにしても罪の意識はあるので、さらに支払い安いと思います。一度予約をしたお客様が確かにその後も継続的に使っていただくならば、お客様にも事情はあるでしょうから、極力、「気持ちよく」キャンセル料をお支払いただくには、このような「歩み寄り」もあってもいいのではないでしょうか。しかし、誤解のないように繰り返すと、契約上の規定のある、または宿泊約款上既定のあるキャンセル料は、「絶対に」徴収すべきものです。

 一つ付け加えると、計上の方法はどうでしょう。ホテルや旅館によっては単純に当日の室料収入に計上しているところもありますが、これはその他収入に入れるべきです。平均単価に影響するような計上の仕方は、来年大変になります。来年になれば前年が今年になりますので、振り返ってみるとどうしてこんなに単価が高いのかと思うほど金額になる可能性もあるので、延長料金・キャンセル料・デイユース分などはその他収入に入れるべきと考えます。

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