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シティホテルはどうやって生き残りますか。

シティホテルとビジネスホテルを分ける要素として、簡単に言えば宴会場があるかどうかになるとすると、そのシティホテルに将来性はあるのでしょうか。宴会場と言えば、バブル期にはディナーショーなども実施されブライダルの収入も合わせ、ホテルの収入のまさに三本柱の一本でした。ホテルの中には賢明にもテナントスペースを設け、その売上が結果的に四本目の柱となって、経営をより安定させました。ところが、結果的には四本の柱のあるホテルであっても、そのうち二本が脆弱化してしまい、経営が苦しくなっています。なおのこと、柱が三本のホテルは難しく、果たして将来はあるのでしょうか。ブライダルの復活がなければ宴会部門が復活することはないでしょうし、しかしながらブライダルが復活するとも思えない状況で、シティホテルは今後どうすればいいのでしょうか。

概して言えば、宴会場を持つシティホテルは宴会場があっても客室数が少ない場合が多く、かりにレートコントロールがうまくいって宿泊部門の稼働が上がっても大きなインパクトになりにくい場合が多いようです。宴会場が8室、レストランが3つ、それでいて客室が120室くらいであれば、最盛期でも三部門が1対1対1の売上比率にはなっていなかったはずで、最盛期でも客室が180室以上ないとその比率にはならなかったと思います。そうなると、宴会が落ち込みレストランが伸びない中で、しかも限られた客室数となると挽回の仕様がありません。宴会場やレストランの客室への転用も工事がたいへんですが、もし天井高が低い宴会場があって窓が作れるならば思い切って客室に転用すべきかもしれません。実際に宴会場を客室に転用し数を減らし、レストランも二つあったものを一つに統合して、その後、営業利益が取り戻せた例もあります。ただし、その改装費も問題です。

したがって、シティホテルはなるべき早い時期にリスクコントロールの専門家に相談し対策を立てるべきです。その場合のリスクは営業リスクもありますが、財務リスクを意味します。つまり、PLとは別の次元で将来の改装(あるいは大改装)のためにきちんと財務的に準備をするということです。これは税理士よりも公認会計士の仕事で、将来のリスクの軽減と対策をしっかり築くべきです。最も思い切った経費削減が必要であるのはシティホテルで、それと同時に財務リスクもコントロールしていかないと、最終的には売却という出口しか見つからなくなります。実はホテルの売買のマーケットでもシティホテル系のホテルは敬遠されがちで、手間がかかる上に利益率が低いというレッテルを貼られています。総合的に機能の高かったシティホテルが一番難しい存在になってしまっているホテル業界です。自らの体力を少しでも落とさないきめの細かい施策の実施が望まれます。

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