宴会

ホテルの宴会の将来性はありますか。

宴会のビジネスはどうなるのでしょう。確かに12月はまだまだ勝負できます。12月の特殊性と言えると思いますが、東京でも地方でも「忘年会」熱は健在のようです。ただし、宴会ビジネスは12月だけでは成立しません。ブライダルも難しく、商品的にも相変わらず昭和の時代と同じに、新年会→歓送迎会→夏枯れ→忘年会と流れ、これらをブレークスルーする新商品は見たことがありません。MICEも一見新鮮に見えますが、どのビジネスもホテルでもともと受注してきた内容であり、会議としての整備は新しいネタになるとしても、総売上を客室ほどの勢いで押し上げるものはありません。営業マンも置く必要もあることから、人件費率が部門別で最も厳しくなるのが宴会部門であり、調理スタッフ・サービススタッフもある程度はレストランに振ることができるにしても、比率として思いことには変わりありません。

客室部門は同じような砂地獄に陥った際に「レベニューマネージメント」という考え方の導入で見事に再生できましたが、こと、宴会に限っていうとこのレベニューマネージメントが難しい。かつてアメリカの大手ホテルチェーンのレベニューマネージメントの神様(?)のような方のセミナーを聞きましたが、宴会については、特に日本の宴会については全く歯が立たない様子でした。結構、厳しい質問をしてしまいましたが、明確なお答えもありませんでした。だからそうだとは申し上げませんが、宴会場が50室あったとしても難しいですし、それがサイズの違うもので10室ともなると、正直早い者勝ちということにならざるを得ません。加えて、料金もこちらの狙った線にはなかなか落ち着かず、後からこれを取ればよかったであるとか、「誰がこんな安いの取ったんだ」的な議論はよくあることです。最初に来たお話でその宴会場を埋めるべきか、それを断ってより高い宴会を待つか。もう生死を分ける大問題です。

実は人件費的には意外とコントロールしやすい部分もありました。それは配膳会という組織の存在が寄与しています。私もホテルに入社した当時、レストランや宴会にいる正社員でないけれどとてもとても仕事のできる軍団に驚いたものです。その彼らが配膳会で宴会の多寡・大小によって上手に人件費をコントロールするための素晴らしい存在でした。ただ、その配膳会にも人材不足の流れは押し寄せ、昨今では取引の多い規模の大きなホテルにベテラン勢を取られてしまい、中小のホテルはほぼ学生のアルバイトしか派遣してもらえないケースもよくあるようです。これでも発注ベースで人材を確保できるという意味ではありがたいですが、なかなかサービスのレベル的には満足できるものでもありません。正社員が数人であとは全部配膳会やアルバイトとなると、例えばFで15000円いただけるご宴席の予約があっても、サービスで15000円のレベルのものは提供できません。もちろん、5000円も15000円も同じではないかとも考えれますが、5000円でブッフェで15000円でフルコースであれば、自ずとサービスの内容も変わります。それに対応できるかできないかは明白です。 かりにサービスレベルの問題は棚上げしても、宴会ビジネスにおいていかに人件費のコントロールがうまくいったとしても、総売上がここまで難しいものになると将来性も疑問です。MICEをやるべき意義はMICEの項でも述べましたが、それでもMICEだけで逆転満塁サヨナラホームランにはなりえませんし、そのスペースの有効利用には頭を悩まされられます。仮に会議室としての強みを出そうとしても、街には会議室があふれています。空きテナントスペースに困ったテナントビルが会議室ビジネスを始めたり、業務委託で始めたり。また、公の建物でも会議室を一般売りし始めており、それはネットのおかげなのですが、会議室ビジネスも競争が激化しています。したがって、今後は宴会場の数減らしの方法論を真剣に考えるべきで、テナント貸しできるのであればどんどんその可能性を探るべきです。また予約についても早い者勝ちでいいと思いますし、客室でも同様ですが、宴会場はほんとに空けておいても無意味な存在です。そして唯一の希望の光であるMICEを疎かにしないように営業活動すべきです。

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