宴会

ホテルブライダルに将来性はありますか。

何年前まででしょうか、ブライダルビジネスが好調だったのは。明確なターニングポイントはないかもしれません。年々、少しずつ悪くなっていったのでしょうが、なかなかその事実に気が付かないというか、認めたくない心境もあってか、事前にビジネスの動向を読んで規模縮小をした例も非常に少ないかもしれません。いつかはこのビジネスは戻ると盲信していたというのは自虐的ではありますが、その一面もあったように感じます。しかしながら、日本中どこを見てももう昔日の面影はありません。少子化対策なりが叫ばれ始めていても、ホテル業界ではブライダルビジネスに過分な期待もしていましたし、思い切ってそのビジネスを止めるという決断も稀でした。しかし、そうなる前にブライダルビジネスを止めてしまったホテルもあり慧眼としか言いようがありませんが、そういった傾向が顕著に出にくかった著名なホテルや伝統あるホテルは現在も苦しんでいます。

宴会部門として考えるとブライダルに代わる新商品というものも見つかっていません。ない、と言ったほうがいいでしょう。もちろんMICEなど新しい「呼び名」はあるとしても、そのビジネス自体は昔からホテルでは受注していたもので、新規のカテゴリーあるいは新規のマーケットとは言いにくいと思います。MICEの項で完全にMICE用に宴会場を改装するアイデアをお話しましたが、確かにブライダルを止めてMICE専用にするという方法論はあります。しかしながら、バブル期でブライダルが売り上げ構成の重鎮であったような時代は来ないわけなので、総売上的にはMICEが成立しても望むべくもありません。ただし、ブライダルの今後を考えればそうするか、あるいはブライダル部門を閉じるほうが将来的には賢明な措置であるとも言わざるを得ません。

ホテルばかりでなく、一時のハウスウエディングの隆盛も陰りが見え、これはまさに少子化と結婚という概念の変遷によるものですので、ホテルブライダルとしていかんともしがたい状況です。かりに少子化の流れはあってもバブル期のように誰もかれもがホテルで結婚式を挙げるような時代であれば、件数は減るにしてもまだまだビジネスとして成り立ったでしょう。それにハウスが加わってもまだ想定内かもしれません。ところが、結婚に対する考え方の変遷には付いてはいけません。まずもで、結婚式がない以上、場所の問題ではないので、どんなに素晴らしい施設であってもどうしようもありません。となると、やはり、業務委託も一つの方策ではありますが、業務委託先が見つかれない場合はなるべく早期に方針転換するべきだと思います。調理のスタッフは婚礼に関わるスタッフの問題もありますが、実際にバブル期でもあれだけのコストをかけたわけですので、営業利益率もそれほど胸張って言えるレベルのものではなかったと思います。また、ハウスにおいてもホテル業間でまさに行われたように価格競争となり、営業利益率を圧迫し廃業に追い込まれているところもあります。

実数でも1000件の施行があったホテルで現在は350件ほどに落ちているところもあります。費用においては業務委託分もかなりの部分であるとしても、総売上baseで三分の一になってしまったビジネスを保持していくことは難しい。あるホテルでは10億あった年間売上が6億まで落ち、その主たる原因はブライダルとレストランの夜の売上という分析ができています。ホテルで食事するという概念も消えつつあり、しかもブライダルがこのような状況であれば、思い切った措置が必要となります。確かに衣裳室や写真室は転用も難しく、チャペルや神殿はさらに使い道がありません。その中でも宿泊・宴会・レストランの三部門があるホテルの中で生き残れるホテルは、宴会部門は残すもブライダルを止めたところのようです。私が経験したホテルもブライダル施設を早期に廃し、ただそこを倉庫代わりに使っていたホテルがありましたが、これを改装してアウトソースすることによりかなり大きな売上の回復が取れました。改修には費用はかかりますが、テナントの借主なりブライダルのアウトソース先が見つかれば先行投資としても有効です。そのような時期ですし、もう少し遅いとも言えるかもしれません。

関連記事

  1. 宴会

    宴会場の転用

    宴会場が複数あり、それも使い勝手から言ってデッドスペースならざる得な…

  2. 宴会

    MICEエージェントをご存知ですか。

    残念ながら大都市圏、特に東京のお話しになってしまいますが、都内には数…

  3. 宴会

    宴会場・会議室の稼働率

    ホテルにしても旅館にしても、宴会場や会議室がある場合に、その稼働率を…

  4. 宴会

    ホテルの宴会の将来性はありますか。

    宴会のビジネスはどうなるのでしょう。確かに12月はまだまだ勝負できま…

  5. 宴会

    宴会専従スタッフの廃止とマルチプレーヤーの育成

    すでにホテル・旅館業界での人材不足は現実の問題として効率的な運営に大…

  6. 宴会

    今期宴会商品を見直しましたか。

    ホテルブライダル受難の時期です。施設はあるのに件数が全く稼げない。近…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

無料ガイドブック公開中

おすすめ記事

最近の記事

  1. 《コラム》シャンプー・リンスの消費量
  2. 《コラム》宿泊特化型ホテルのフロントの適正人数
  3. 《コラム》大手チェーンホテルの落とし穴。
  4. 《コラム》 キャンセル料は取れないか。
  5. 会計システムへの仕訳は自動で行えますか

アーカイブ

  1. 総合

    水道光熱費は稼働に比例していますか。
  2. コラム

    《コラム》大手チェーンホテルの落とし穴。
  3. 宴会

    宴会場サービスとレストランサービス
  4. 宿泊部門に関すること

    お客様のお住いの地域に対する分析と、弱い地域への営業を行っていますか
  5. 総合

    ホテルの知名度をどうやって上げますか。
PAGE TOP